【銘柄研究】世界最強小売企業「ウォルマート」($WMT)の実店舗未来戦略。

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アメリカで百貨店とか衣料品店の倒産が続いているよね?コロナで外出できないし、アマゾンとかネット販売の勢いがすごいから店舗はこれからどんどん厳しくなるのかなぁ。

たしかに倒産はまだ続きそうだし、小売りは厳しいね。ただこんな中でも最大手のウォルマートはしっかり売上を伸ばしているようなんだ。ちょっと調べてみよう。

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世界の小売業の情勢

まずは世界の小売業界の情勢を見ていきます。

コロナ禍のアメリカで店舗小売業の経営破たんが続く

アメリカの高級百貨店「ニーマン・マーカス」が経営破たんをしました。アメリカでは40店舗を超えるメジャーな百貨店。ニーマン・マーカス自体が日本ではあまりなじみ深くありませんが、国内の伊勢丹三越が25店舗ですから、それを超える大手の百貨店が倒産したことになります。

また、衣料品店大手の「Jクルー」も同じく経営破たん。こちらは490店を抱えた大企業で、ミッシェル・オバマ前大統領夫人も愛用していた超人気店ですからアメリカ国内では大きな衝撃とともに報道されました。

こんな報道が立て続けに流れる中で、小売業の未来に大きな懸念が広がっています。特に百貨店業界はドミノ倒産がささやかれています。中には「小売の時代は終わった」という人まで・・。

EC市場の拡大 Amazonは実店舗を破壊する?

では外出規制を受けて拡大しているといわれるEC市場を含めた小売業界の動向はどうでしょうか?

世界で最も巨大なEC市場を抱えているのはアメリカ、ではなく中国です。ま、あれだけの人口を抱えた巨大市場ですからね。アリババやテンセントなど新興企業のの貢献が大きいです。

ちなみにアメリカのEC市場規模は2018年に55兆円→2019年に62兆円と増え続けています。EC利用者は2.7億人。アメリカの人口が3.2億人ですから大人はほぼ全員ですね。

また、AmazonがEC市場を席巻するようになって久しく、Amazonによって実店舗小売りは駆逐されていくような言説もよく耳にします。

実際Eコマースの伸びが話題に上がることがありますし、小売全体に占める割合は毎年伸びているのですが2018年度ECの占める割合は11%。・・・え、そんなものなの?という印象を筆者は受けました。

逆に言えば消費の9割はまだ「実店舗」での買い物に依存しているわけです。

EC販売で売り上げシェアが最も大きいカテゴリがおもちゃ・趣味・DIY用品。鮮度が関係なく、試着等のトライアルが不要なジャンルですね。

ここ数年でアメリカでは大手小売企業が次々に経営破たんしました。

トイザラス(玩具量販店)、シアーズ・ホールディングス(百貨店シアーズとディスカウントストアKマート)、フォーエバー21(ファストファッション)。

2017年~2019年の間だけでもこれだけの巨大企業が経営破たんの憂き目を見ています。このEコマースの発展と実店舗型小売企業の衰退は「アマゾン・エフェクト」呼ばれています。

世界小売ランキングTOP10

順位企業名本拠地2018売上(百万ドル)
成長率
Walmart Inc米国514,4052.8%
Costco Wholesale
Corporation
米国141,5769.7%
Amazon.com, Inc.米国140,21118.2%
Schwarz Groupドイツ121,5817.6%
The Kroger Co米国117,527-1.2%
Walgreens Boots Alliance, Inc.米国110,67311.7%
The Home Depot, Inc.米国108,2037.2%
Aldi Einkauf GmbH & Co. oHGドイツ106,1753.2%
CVS Health Corporation米国83,9895.8%
10Tesco PLC英国82,79911.3%
デトロイト・トーマツ社 レポート「世界の小売業ランキング2020」より引用

「アマゾンエフェクト」の逆風の中、小売業界の中でウォルマートは2位以下に圧倒的な差をつけてトップに輝いています。なんと21年以上連続で1位を維持しています。

これだけでウォルマートがいかに偉大な小売企業かがわかりますね。

アマゾンが様々な新業態のサービスを開発し猛追を仕掛けていますが、現段階では売上で3倍以上の差をつけています。

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世界最強小売企業『ウォルマート』$WMT

ウォルマート企業概要

創業者サム・ウォルトンが、1962年7月2日に最初のウォルマート・ディスカウント・シティーを、アーカンソー州ロジャーズに開いた。その後様々なフォーマットを展開している。EDLPを掲げ、低価格、物流管理、コスト削減などを推し進め急速に成長し、世界最大の売上げを誇る企業となった。

現在、世界15か国に進出し、日本では西友を子会社化して事業展開している。

ウォルトン一族による同族経営企業として知られており、2019年に発表された「グローバル・ファミリー企業500社ランキング」によれば、ウォルマートは世界の同族経営会社の中で世界一の規模であると評価されている。

Wikipediaより

ウォルマートといてばEDLP(エブリデイロープライス)戦略がその代名詞でした。同一商品の大量仕入れ、大量販売による大幅コストダウンが90年代~2000年代前半までは世界を席巻していました。

その後、2010年代に入り、アマゾンに代表されるEコマース企業が大きく成長する中で多くの他の小売企業と同様にウォルマートも徐々に売上が停滞はじめ、「時代遅れの企業」と見られ始めていました。

ただ、そのまま衰退するかに思えたウォルマートですが、最大の資産である膨大な店舗物件+従業員、それに最新の情報技術を組み合わせたかつてないサービスを開発し、アマゾンに対峙しています。

これについては後の項目で触れていきますね。

ウォルマート財務状況

売上は年数%ずつではありますが増加傾向を堅持しています。

特にEC分野での売上年間を40%近くは伸ばしており、ウォルマート全体の売り上げを支える規模になりつつあります。

2018年はシステム投資と大手ブランドショップ買収などで利益は縮小しましたが、最新の決算では利益も改善。

2015年ごろからEコマース事業への投資を増やしつづけていましたのでフリーキャッシュフローがマイナスに転落することもありましたが、ここ1~2年は売上の改善とともにシステム開発がひと段落してきたこともあり、キャッシュフローも安定しています。

何より魅力的なのはウォルマートは44年間連続増配をしているということ。

高配当株を検討するには理想的な銘柄と言えるでしょう。

打倒アマゾン!近未来の店舗 ウォルマートの未来戦略

ウォルマートは他の実店舗小売り企業と一線を画すEC展開と実店舗の優位性を生かした戦略をとり、EC市場の巨人「アマゾン」に対峙し業績も堅調に推移しています。

具体的にウォルマートがどのようなデジタル化戦略をとっているのか見ていきましょう。

オムニチャンネル化の取り組み

インターネットの普及に伴って店舗資産が小売業にとって足かせとなっていました。物件管理コストや顧客の物理的制約などがEC事業者に比べ不利に働くためです。

それを逆手にとって店舗を有効活用しようというのが『オムニチャンネル』という戦略です。

「オムニチャンネル」とは?

オムニチャネルとは、「あらゆるメディアで顧客との接点を作り、購入の経路を意識させない販売戦略」のこと。

インターネットの普及から、小売店は店舗の「ショールーム化」に悩まされてきた。それは、実店舗で製品に触れ、店員の説明を聞いて製品の魅力を知った後に通販サイトで最も安い価格で購入するという、消費者の「賢い買い物」によって販売機会が喪失されるという実態があるためだった。

その課題を解決するために、大手企業が中心となり実店舗とインターネットを統合した販売システムを構築。顧客にネットとリアルの垣根を感じさせないシームレスな購入体験を提供できるよう、販売戦略を変更していった。

ウォルマートでは「オンライン・グローサリー・ピックアップ」というサービスを展開。顧客があらかじめスマホで生鮮食料品など購入希望商品を選び、決済を済ませ来店時間を指定しその時間に合わせてピックアップ専用の駐車スペースで車を停めておくと従業員がの車トランクまで商品を持ってきてくれる、というもの。

これにより顧客は「もう少し熟したトマトがいい」とか「バナナはもう少し斑点が多いものを」など希望を伝え交換もできる。こうしたデータはなんと顧客データとして蓄積され、次回の買い物に生かされていくそうです。

またスーパーセンターという大型店舗には「ピックアップタワー」という巨大なタワーが設置されており、顧客があらかじめオンライで注文した商品が新鮮な状態で保管されており、指定日にいつでもピックアップできるようになっています。

新しい配送サービス「インホーム・デリバリー」

なんと顧客宅にあがりこみ、冷蔵庫に生鮮食料品を入れてくれるサービスもあります。忙しくて在宅時間が短いビジネスマンに人気だとか。また高齢な親を持つ世代の利用が進んでいるということです。

これは2017年にアマゾンが始めた「キー・バイ・アマゾン」(玄関の中に荷物を置いていくサービス)を強く意識したものでしょうね。

「アマゾンは玄関までだが、ウォルマートは冷蔵庫まで」と宣伝したとか。

店舗のAI・デジタル化

実はウォルマートはAI研究に非常に熱心な企業です。

 社内プロジェクト「インテリジェント・リテール・ラボ(IRL)」のマイク・ハンラハンCEOは「ウォルマートはAI活用の世界的なリーダーになる」と述べています。

このウォルマートのIRL店舗には天井に1000台以上のカメラが設置され、顧客動線や商品の動きをつぶさに追っています。これがデータセンターに送られ、AIにより解析されていきます。

こう聞くと、これもアマゾンの無人店舗「アマゾン・ゴー」と同じような仕組みにも見えますね。ただし、実は理念が全く異なります。

アマゾンは顧客の会計を無人で行うためにカメラで顧客の行動を点検します。

一方でウォルマートはカメラで顧客個々人の動きは追跡しません。3万種類に及ぶ店内の商品の状態のチェックを行うのです。

撮影された画像から陳列量や傷んでいないかを、精肉コーナーでは棚を数分ごとにチェックしてどのパッケージが売れているのかを判断。従業員のスマートフォンアプリに補充の指示を出すしくみになっているのです。

小売業の肝である在庫管理鮮度管理、そして従業員動きの効率化による対面接客の充実。

こうした昔から大切にされてきた小売業の大切な部分を最先端技術でより進化させているのが現在のウォルマートなのです。

まとめ

インターネットの普及に伴って「負の遺産」とされてきた実店舗とITを組み合わせることで自らの強みを最大化する戦略を構築したウォルマート。

一時期の停滞期も脱し、市場評価も高まっています。

私、モーガンはウォルマートは昔ながらの個人商店的な理念を大切にした小売らしい小売だと感じています。

EDLP戦略を打ち出していた時も従業員教育を徹底し、顧客とのコミュニケーションから売れ筋情報を把握する取り組みを取っていました。

時代が変わりデジタル化、AI化が進んだ今でも従業員と顧客とのコミュニケーション体験を大切にする点、馴染み客の育成と、満足度の向上など、昔から軸は変わっていないようです。

創業者サム・ウォルトンが小さな商店からスタートし、その創業理念を大切にし続けてきた彼ららしい戦い方で是非、未来に残って欲しいですね。

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